2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「唯識で読み解くダンマパダ」(19)〜人間として生まれたことは素晴らしいことである〜

今回から第17、18詩句を読んでいきます。 まず、訳を記します。(第17詩句) 悪を行ったものは、今世で後悔し、来世で後悔し、二世において後悔する。 「私は悪を行った」と後悔し、悪趣におちいって、さらに一層後悔する。 (第18詩句) 福を為し得…

「唯識で読み解くダンマパダ」(18)〜悲嘆し苦悩する毎日から歓喜する毎日へ〜

今回から第15、16詩句を読んでいきます。 まず、訳を記します。(第15詩句) 悪を行ったものは、今世で悲嘆し、来世で悲嘆し、二世において悲嘆する。 自分の行為が汚れれているのを見て、彼は悲嘆し、彼は苦悩する。 (第16詩句) 福を為し得たもの…

「唯識で読み解くダンマパダ」(17)〜貪欲の雨が降り込まないよう心を練磨する〜

今回から第13、14詩句を読んでいきます。 まず、訳を記します。(第13詩句) あたかも、雨が、わるく葺かれた家を破り穿つように、 貪欲が、練磨されていない心を破り穿つ。 (第14詩句) あたかも、雨が、よく葺かれた家を破り穿つことがないように…

「唯識で読み解くダンマパダ」(16)〜物事を実の如くに知り、見る〜

第11詩句と第12詩句とを再び記してみます。(第11頌) 真髄でないものを真髄と考え、そして真髄を真髄でないものと見る、 そのような人は真髄に達しなく、誤った考えの境界に住する。 (第12頌) しかし、真髄を真髄として、そして真髄でないものを…

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「唯識で読み解くダンマパダ」(15)〜真髄を見る〜

今回から第11詩句と第12詩句とを読んでいきます。 まず訳を記します。 (第11頌) 真髄でないものを真髄と考え、そして真髄を真髄でないものと見る、 そのような人は真髄に達しなく、誤った考えの境界に住する。 (第12頌) しかし、真髄を真髄とし…

縁ということ(2)

(つづき) 私たちは「自分」というものを設定し、それに執着し、その結果、いろいろと悩み苦しむ日々を送っています。自分だけが苦しむのならまだしもよい。自己と自己ならざるものとを分別し、我他彼此の世界を作り出し、そのなかで他人までをも苦しめてい…

縁ということ(3)

(つづき) 最初に、縁とは「たまたま」であるといいました。私は私の意志とは無関係にたまたま生まれたのですから、私のなかには私が作り出した「私のもの」というものは何もありません。したがって執着すべき「私」というものはどこを探しても見つかりませ…

縁ということ(1)

「唯識で読み解くダンマパダ」はちょうど第10詩句までが終わったので、ひと休みして、「縁ということ」と題してブログを書いてみます。 先日勉強部屋を整理しているとき、机の引き出しから、以前に、それも私が四十歳台に書いた抜き刷りがみつかり、読んで…

「唯識で読み解くダンマパダ」(14)〜出家者になりうる資格〜

今回から第9詩句と第10詩句とを読んでいきます。 まず、 訳を記します。 (第9詩句) 汚れを除いていなく、黄褐色の衣をまとおうと欲する人で、 自制と真実とが欠けているならば、その人は黄褐色の衣をまとう資格がない。(第10詩句) しかし、汚れを…

「唯識で読み解くダンマパダ」(13)〜食事において量を知り、勇猛に精進する〜

今回は、第7詩句と第8詩句の前回残したところを読んでいきます。 (第7詩句) 浄らであると見て生活する、感覚器官を抑制しない、 食事において量を知らない、怠けて精進することが少ない、 そのような人を悪魔が征服する。あたかも風が弱い木を吹き倒す…

「唯識で読み解くダンマパダ」(12)〜身体を不浄と見て生活し、感覚器官を抑制する〜

今回から第7詩句と第8詩句とから学んでいきます。 (第7詩句) 浄らであると見て生活する、感覚器官を抑制しない、 食事において量を知らない、怠けて精進することが少ない、 そのような人を悪魔が征服する。あたかも風が弱い木を吹き倒すように。 (第8…