新刊書の紹介

このたび、『唯識の思想』が講談社学術文庫として刊行されました。唯識思想の入門書としては他に『「唯識」という生き方』(大法輪閣刊)がありますが、この中にはほとんど唯識的な専門用語が使用されていません。
 これに対して『唯識の思想』の中には、以前にNHKの宗教の時間で唯識を講じた際のテキストを一冊の本にまとめたものですので、適宜、用語が出ており、それが解説されています。
 唯識思想は“非常識”の連続です。「ただ心だけが存在し外界にはものは存在しない」とか「自分というのは言葉の響きがあるだけである」とかいう、いわゆる“非常識”を主張しているからです。
 でも、いわゆる“常識”にしたがって生きるところに迷いと苦しみとが生じると私は確信しています。
 <唯識>の教理したがって“非常識”に生きてみましょう。すると知らず知らずのうちに、心が深層から変革されて、爽快に生きることができるようなります。
 長い長い夢の世界から覚めて爽やかな朝を迎えることができます。
 どうか唯識思想を学び実践してください。