蜘蛛ちゃん、おはよう  

我が家の玄関を出て門の扉のまでの間の頭上に、強い風や雨に遭いながらも、もう2週間ばかり蜘蛛の巣が張られて、一匹の蜘蛛がそこに住みついている。自然の(否、蜘蛛の)生の営みのすごさに驚かされる。
ある日、一匹の小さな蜘蛛の子が巣の上のほうにいたが、親の蜘蛛の子供なのであろうか。でも昨日、その姿が見えなくなった。どこに行ったのかといぶかると、妻は蜘蛛は共食いをするから親が食べてのだと言ったが、私は子供が独立して巣立って行ったのだと思った。
 とにかく2週間も毎日お付き合いしていると、朝起きて「蜘蛛ちゃん、おはよう」と声をかけるようになった。
 一生懸命生きている蜘蛛が愛おしく思えてならない。