『An intellegent Life』が出版されました

私の著作『「唯識」という生き方』の英訳本がこのたびアメリカのWisdom社(http://www.wisdompubs.org/book/intelligent-life)から出版されました。この英訳が出来上がるまでの過程は以下の如くです。

       『An intelligent Life』の出版について
 私の以前出版した『「唯識」という生き方』(平成十三年七月、大法輪閣刊)の英訳が、今夏アメリカのWisdom社から出版されますが、この英訳が出版されるまでの経緯を簡単に述べてみます。
私が以前、平成二年から三年間、奈良興福寺の「仏教講座」で『唯識三十頌』を講じてきました。その折、それに出席されたVarghese Puthuparampil氏(以下、ジョージ神父と呼びます)とのご縁ができました。ジョージ神父はインドのカソリックの神父で、京都の花園大学などで仏教を研究された方です。興福寺の私の講座を聴かれた後、<唯識>に非常に興味を持たれ、<唯識>を英語で世界に広めるために『「唯識」という生き方』の英訳を引き受けてくださいました。それから十年ほどかけて英訳を完成してくださったのです
その後、その英訳の出版先を探していたのですが、これまた、ありがたいご縁で、アメリカのWisdom社(www.wisdompubs.org)が出版を引き受けてくださり、去る八月十一日に出版されました。
 ジョージ神父の英訳は、私の原本の日本語にしたがって忠実に訳されたものですが、このたび出版された英訳本は、ジョージ神父の訳を、Wisdom社の編集長のAndy Francis氏が細かくチェックされ、さらに氏の見解もが織り込まれ、英語の表現と本の内容とがさらに充実されたものとなりました。
 私は、『「唯識」という生き方』という本の題が『An intelligent Life』と変えられたことに、嬉しく感心しています。また私は、これを英文で読むと、思いと言葉とに翻弄されて諸問題に悩む私たち現代人は、「分別的な生き方」を捨てて、真理・真実の基づいた「知性的な生き方」をしなければならないということを強く確信するようになります。この英訳本では、その「知性」とは何かが多角的に追究されています。
私はこの英訳本をとおして仏教が、そして仏教の根本思想である<唯識>が世界に広がることを強く願っています。



       『An intelligent Life』の内容の要約
 本書全体の内容を要約してみます。
本書の内容を要約すると次の三つの項目になります。(英文は『An intelligent Life』からの引用)

①人生の目的を定めてそれに挑戦する。(the challenge of taking up a great aim in life)
②身心を鍛えることに挑戦する。(the challenge of training ourselves physically and  mentally)
③日々の生活の中でなりきる。(bekoming one with in daily lives)

本書の題名の中にあるintelligent は、よく言われる「知性的」という意味ではなくて、一言でいえば、「なりきる」ことです。それを英語では「bekoming one with(〜と一つのなる)」と表現しています。「なりきる」という和語よりも「一つになる」という方が分かりやすく、心に響いてきますね。

本書はこのほかに仏教用語がわかりやすく表現され、読むと唯識思想が深層心に不思議と刻印されていきます。今、本書の和訳を完成させつつありますので、出版されましたら、英訳と和訳を較べながらぜひ読んでください。


INTELLIGENT LIFE

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