川の流れで癌を治す

先日友人から聞いた素晴らしい話を紹介してみましょう。
その友人が故郷の同級生に先日久しぶりに会ったときに次のようなことを聞いたそうです。
 「私は数年前に癌にかかっていると宣告された。しかし病院の抗生剤を服用するなどの通例の治療はしない、自分で治してみるぞと決心した。そこで家の近くの川のほとりを川の流れに沿って流れを見ながら‘流れさん、どうか私の癌を洗い流してください’と念じながら川の下流から上流に沿ってゆっくりと走ることを一年間つづけた。その後病院で診てもらったら、癌が小さくなっていた。そして現在もこのように元気に過ごしている。」
という話でした。
 私はこの話を聞いて「すべては識が、すなわち心が作り出したものである」という唯識思想の根本教理が事実であるという確信を強めました。
 ふつう、素朴実在論的には、川の流れは自分の外界にあると考えますが、実は「流れ」は心の中に存在しているのです。
 なぜなら私たち一人一人の心は「一人一宇宙」であって、人は、いわばその中に閉じ込められた存在です。私たちは決して自分の心の外に抜け出すことはできません。
 したがって、いまあげた上記の人が眺め、感じ、念じた川の流れは、その人の心の中に流れているのです。だから、その流れが、これも心の中にある癌を洗いながしてくれたのです。
 癌が治った人は、もちろん唯識思想をまったく知らない人です。しかしその人は、気が付かなかったにしても「すべては心が作り出したものである」という教理に即して生き努力されたから、癌から生還したのです。
 その方の生き方の重要な点をまとめてみると次のようになるでしょう。
1.意志の力の素晴らしさ。「自分で治してみるぞ」と いう強い意志を起こしたこと。
2.自然の力に身をゆだねたこと。
3.長く努力をつづけたこと。


今日の最後に次の唯識思想の教理を記しておきます。
 一切唯識 
 一切不離識 
 唯識所変

どうか、目を閉じて、己の心の中を静かに観察してみてください。すると生き方が変わってきます。